まずは看護師がどのような場面で怒りやストレスを感じやすいのかを紹介します。怒りを感じるポイントは人それぞれですが、共感する部分も多いかと思います。
同僚に対する不満でよく耳にするのは「○○さんはいつもナースコールを取ってくれない」というものです。わざとかどうか分かりませんが、ナースコールが鳴っているにも関わらず一向に取ろうとしない人が一定数います。普通、よほどの事情がない限り仕事の手を止めてナースコールに対応しなければならないのに自分の仕事を優先し、中には担当患者のナースコールさえ無視する人もいます。
また、後輩の新人看護師にイライラすることもあります。新人なので分からないことが多いのは仕方ありません。質問されることに対して怒りは感じませんし、むしろ安全に患者を看護するためには積極的に質問や相談をしてもらった方がいいでしょう。しかし、非常に忙しく他のことに手が回らない状況で質問されたり、同じことを何度も質問されたりするとさすがにイライラしてしまいます。それに対して厳しい言葉で返してしまった自分に対して落ち込むこともあるでしょう。
横柄な態度の医師にも怒りを感じます。患者の診察準備、処置、点滴の指示など、日常業務をスムーズにこなしてくれる医師がほとんどですが、中にはそうでない人もいます。そうなると患者を長い時間待たせることになり、自分の仕事も滞ってしまいます。結果、患者からはクレームがきて看護師が謝罪することになります。そのことを報告すれば今後は医師がイライラし始め、その理不尽さにストレスを感じます。
このような人間関係の問題は多くの人が働く職場ではよくあることです。看護師は同僚の人数も多く、上司や医師とは毎日顔を合わせることになります。その中で自分が苦手に感じる人が身近にいると、日々の仕事がつらくなってしまいます。
人間関係以外にストレスを感じる原因として挙げられるのが、「仕事の責任の大きさ」です。人の命を預かる仕事なのでプレッシャーが大きく、夜勤などの人員が少ない現場ではよりプレッシャーを感じることになります。仕事をしていけばそのうち慣れるという人もいますが、責任の大きさが変わるわけではないので心が削れていきます。
また、看護師は忙しい仕事です。職場によっては毎回異なる対応を求められることもあるでしょう。優先順位をつける暇がないほど膨大な量の仕事に追われることも少なくありません。そのような状況が毎日続くと、当然ながらストレスは蓄積してイライラしやすくなります。